白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「にしても、滝篠がすごいんだか理波さんがすごいんだか……」



「理波ちゃんがすごいんだよ。ねえ雅風」
 


揚々と拳を作る愛璃。



その隣で莉音が項垂れていた。




「私……雅風のお姉さんを妹扱いしちゃったんだけど……」
 



そういや昨日の騒ぎの発端は俺らだけど、大きくしたのは莉音の言葉だった。
 



愛璃と諒平は小学校から馴染みだから、理波ちゃんのことも知っている。




「気にしなくていいよ。俺が弟に見られたこと一度もないから」
 


ちっさな頃から俺の方が、体が大きかったからか、兄妹だった。



今更気にするところもない。




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