白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「でも失礼でしょー……しかも雅風のお姉さん……」
声をかけたけど、莉音は凹んだままだ。
大丈夫かな。
「雅風、ここにいることバレねえように適当にあしらってくるから、俺先に出てるわ」
「あたしも行ってる。莉音、頃合い見て出て来てね」
「えっ、ちょ――」
諒平と愛璃が二人だけで話をまとめて出て行ってしまった。
「何で行っちゃうのー!」
叫ぶ莉音を置いて。
「ありがとな、莉音」
ここに匿ってくれたの、莉音発信だと思う。
恭輔がいないのが理由。
恭輔は昨日の騒ぎの中に……と言うか中央にいたから……諒平と愛璃だけ呼んでくれたんだと。
「いや……昨日のあれの原因私みたいだから……」