白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「莉音、いつもありがとな」
「……何よ、急に」
莉音の声は憮然としていた。
「んー? いっつもあのクラスまとめてくれて、ありがとってことだな。刹那のことも」
あんなに早く受け入れてもらえたのは、莉音のおかげだと思う。
「……何で私たちが刹那を気に入ってるか、わかる?」
唐突な問いだった。
俺は瞬きを返すのが精いっぱいで、声は出なかった。
「普通ね、ああいう子って除けられやすいのよ」
「へー」
でも刹那は除けられてなんかいないよな?
「何でだか、わかる?」