白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「そっか。ありがと」
 


莉音の顔が蒼から紅くなった。


熱でもあんのか?



「……雅風さあ、」



「うん?」



「……何でもない」
 


何だろう……莉音が元気ない。



そろそろ出て行こうかと思っていたけど、いつもの莉音のよく通る声に後ろ髪をひかれた気がして、扉に手は触れなかった。
 


座り込んでいる莉音の隣に俺も座る。




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