白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
上手く切り抜けて大きく息を吐いていると、
「雅風、お前何者?」
料理番の永多(えいた)がドリンクを注ぎながら言った。
「あ? 何が」
「いや、何がじゃねえよ。受け答えも動作も完璧過ぎんだろ。本物の執事かと思ったよ」
「俺、本物の執事なんて知らないよ」
「俺も知らんけど。凄すぎ」
「そうかー?」
俺は適当にやっているつもりだったが。
口調だけは丁寧にして。
「あ――」