白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
言われてみれば俺は、図書委員しか座らないカウンターの中にいる。
「雅風は放課後によく来るの。暇そうだったから手伝いに呼んだんだよ」
「暇そう?」
愛璃に説明に不審そうな顔をする滝篠。
「ってことは、琴吹とは《友達》になれたのか?」
「うっ」
いきなり痛いところを衝かれた……。
滝篠には朝の宣言を聞かれているからな……。
俺は必死に言葉を考える。
「雪野、何か手伝えることはあるか?」
一人で言い訳を探しておどおどいると、滝篠はカウンターの向こう側に椅子を引き寄せて来た。