18.44m





予感は的中した。


気づかないフリをしきれなかった。


そうすればごまかせると少しでも本気で思った自分がバカすぎる。


駿はどこにもいなかった。


部室にも、グラウンドにも、ベンチにも。


ブルペンにも。


ユニフォームに着替えた遥はグラブを脇にはさみ、シートノックが一段落ついた監督に謝罪した。



「すみません、遅くなりました」


「ああ、委員会だったか、神崎から聞いている。


学校の仕事だ、仕方ないな」



監督がバットを杖のようについて、後ろに立つ神崎真(かんざき まこと)をちらりと見た。


神崎が一瞬だけ眉尻を下げたが、すぐに表情を引き締めて遥に指示を出す。



「今日は守備練習が中心だ。


一週間のブランクをすぐに取り戻せよ」


「はい」


「……清水。川口は一緒じゃないのか」



ちりっ。


キャプテンの一言で、はっきりと分かった。


駿は部活にすら来ていないのだと。



「……はい」



つとめて、遥は気にしていないという声音で返答した。


そうしないと、しょぼくれた情けない顔になってしまいそうだ。


ふむ、と監督が腕組みをした。


守備練習でグラウンドに散っている部員を見つめる。



「神崎、秋山と溝口を呼んで来い」


「はい」



短く返事をして、神崎が一塁へ走る。


そこには1、2年生が数人固まって、3年生から送球の指導を受けていた。


その集団から秋山と、1年生の溝口達也が出てくる。




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