ダレにも負けないぐらい愛してやる



「困ってない・・・タダ・・・」

『タダ?』

「何でも無い」

『だから子供は迷惑でしょ?』

「そんなんじゃなくて・・・ある意味、良かった」

『ある意味?』

ちょっと困ってる響さんを見つめると頬を赤くして苦笑いをした。


「気にするな、取りあえず病室に入るぞ」

響さんは、スマホを持っていない私の手を引っ張り診察室の中へ一緒に入って行った。


「響・・・陽織ちゃんは、繊細なんだ、ゆったりとした空間で癒されながら生活をすれば、声も元に戻るだろう」

「そっか、分かった。ありがとう」

色々検査をし、診察が終わると響さんは目の前に居る先生に向かってお礼を言い頭を下げていた。


「陽織行くぞ」

座っていた私は、響さんに手を引っ張られ診察室を後にすると受付でお金を払う。

お金。受付の前で、お財布を出している響さんの腕を引っ張り、ポケットからお金を取り出した。


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