続・銀髪姫と不良幹部
「私を産んでくれて、みんなと会わせてくれた。ありがとう。」


辛くて悲しくて、2人を少しでも恨んでいた私とはもう違う。


感謝でいっぱいだよ。


だから私は恨みの言葉じゃなく、感謝の言葉を言うんだ。


「…依亜、あなたの本音を聞けてよかった。幸せなあなたにごめんなんて言わない」


「だけどこれだけは言わせてくれ」


「「幸せになりなさい」」


〝幸せになりなさい〟


この言葉が今の私にどんだけ嬉しいか。


涙が出そうだけど、それはまだ後。


「ありがとう。幸せになるよ」


笑って頷いてくれる2人に、私もつられて笑顔になる。


懐かしい。


昔、すごく大好きだった両親の笑顔。


「2人のこれからは辛いと思うけど、投げ出したりしないで?」


2人はことを起こした主犯として連れて行かれる。


人を殺したりはしていないから、そんなに刑は重くないだろう。


それにお父さんのことだ。


少しは力を貸してくれるはず。


だから大丈夫。


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