病室の君へ
10月の始め、この大学病院にまた患者がやって来た。

ー俊ー
全治半年とか、まじありえねーよ!
ハァ・・・

「失礼しまーす」

左手で勢い良く俺の病室にはいる。
そこに女の子がたっていた。
うぁ・・・
俺、ガキと同室かよ、最悪。おとなしいといいんだが。
俺はしゃがみこんでそいつの頭を撫でる。

「今日からよろしくな。」

俺の得意技、営業スマイル

「お兄ちゃん!しぃと一緒の部屋?やったー」

そいつは顔をパァァっと明るくした。
俺は右腕を押さえながら勢いよく、べっとに飛び乗る。

「お兄ちゃん?しぃと遊んでくれないの?」

「え?・・・ああ、俺は今ケガしってっから無理。」

ガキなんかと遊ぶなんてごめんだ!
事故のせいで後もう外にも出たくない。
まず休ませてくれ!

「お兄ちゃん名前教えて」

「え?あ・・・俺の名前は俊だよ。俊!お前は?」

少し照れたようにしてそいつは口を開く。

「しっしぃ奈・・・だよ?」

その後晩御飯まで二人は無言だった。


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