マリの毎日
キノは、どうすればまたみんなに騒がれるような新聞が作れるのか、考えました。

彼はそれだけが生きがいなのです。かわいそ。かわうそ。新聞部潰れたらいいのに。


キノは階段の陰で腕組みをし、内ポから何やら皮の表紙でできたメモ帳を取り出します。

表紙に刻まれている文字は「キノ'sマル秘データ帳~学校編~」

……中二(今明かされた事実!)にもなってそのタイトルはいたすぎる!


データ帳をぱらぱらとめくっていると、キノの牛乳瓶の底のような眼鏡の奥のつぶらな瞳に、「ルイコ」という人間の名前が映りました。


「……これは使えるぞ……」


キノは口の端を歪め、キノコ頭を揺らして喜びました。




――翌日――


「ふああああ……」


ルイコはあくびをして、学校の下駄箱から上靴を取り出しました。

それと同時に、小さな紙切れがひらひらと舞い落ちました。

ルイコちゃん、よく見ると目の下にくっきりとくまが。ショックで睡眠不足でしょうか。


「……あら、またラブレターかしら」


もちろん貰った経験などありません。

その紙切れには、いびつなカタカナでこう書かれておりました。


"本日昼休ミ、中庭ノ銅像前へコイ。昨日ノ新聞ノ真実性ガ明カサレル"


ルイコは暗い顔で、紙切れを握りつぶしました。


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