あの花のように
「「ただいま~」」
誠也と里奈が帰ってきた。
「ラブラブしてた~?…ってあれ?」
「ちょっとケンカした」
「何でよ」
「ちょっと待って。俺、ケンカしたつもりないけど?」
「だってなっちゃんがひどいもん」
「何があったのよ?」
「私より花の向日葵の方が好きって」
「ひどいね」
「でしょ!」
「葵がね」
「え!何で私?」
「そんなことくらいで怒るなんて」
「だって夏休みあんまり会えないのに向日葵ばっかり見るんだもん」
「それはごめんなっ」
なっちゃんが手を合わせて謝ってきた。
「いいよもう。許すっ」