Mein Schatz

目を覚ますと白い天井と殺風景な部屋。



病室は個室で殺風景過ぎて違和感があるくらいだ。






なにもない部屋で香織は一人、物思いに耽っていた。





(学校のみんなは私のことを覚えているかな。あやはだれといるのかな。)







一度だけ弘夢から連絡があったが返す必要も感じなかったから返さなかった。






だんだんこんな自分が惨めに見えてきた。






腕にはたくさんの切り傷。真っ白で細い足には所々あざが目立つ。






入院したはいいものの、あまりに周りの環境の殺風景さにストレスを感じるくらいだった。







薬はいやいや飲まされるが副作用でなにも出来なくて暴れることさえあった。









看護師の言葉も医者の上っ面にも嫌気がさしてきたのは入院してたったの1週間だった。






「もう退院させて!」




彼女の懇願する態度に医者も呆れたようだった。




「結局あなたはどこにいてもだめね」





退院の時に母から言われた言葉は重くのしかかった。








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