黒薔薇~美しき欲望~
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ある日の朝、まだ相当眠気を感じるものの体に鞭を打って起き上がる。
昨日は組の事情で、clubが久しぶりの休みとなっていた。
だからあたしも家でのんびりとくつろぎ、いつもの倍以上の睡眠時間をとったけど…。
逆に寝過ぎて、どれだけ寝ても眠すぎる。
かれこれ4度寝を済ませてしまった。
こみ上げるあくびを殺すことなく吐き出す。
「……すんごいねむ」
でも今日は仕事だ。
最高にだるい体を半分引きずりながら、ベッドから降りた。
「冬夜ぁ~。朝ごはんっ」
そして部屋から出て階段で叫んだ時にふと気づいた。
冬夜、あいつも組のなんたら会に出てんじゃん。
ちょっと難しい話のあとに組員たちとパーッとパーティらしきものがあるそうだ。
あたしは出る必要もなくあっさりと自宅待機。
冬夜は難しい話から、パーティまで全て出席するそう。
今回の組はclubでもお世話になっているところとだから、結構お互いお互いが大事なんだろう。
こっちはclubのことが関わってて仲良くしといて損はないし、向こうだってあたしに気に入られたいに決まっている。
そんなことを思いながら、パンを焼いてコップに牛乳を注いだだけの朝食もとい昼食を作った。
リビングの席に着いて挨拶をしてパンを食べた。
この家は男からもらった家の中の一つ。
どこに泊まるかはすべて気分だ。
ベッドルームも、家で使う家具までこの家とともにプレゼントしてくれている。
だからすんごい使いやすい。
でもこんなとこに来るときには、誰かひとりclubの男を監視役としてあたしのそばに置いておかなければならない。
監視をつける理由は簡単。
あたしは狙われやすく、包丁を向けられることなんて日常茶飯事だからだ。
監視もはっきり言えばボディガード。
でもその人たちだけじゃ怖いな、と思い自分でもけんかが出来るようになった。