黒薔薇~美しき欲望~
たっぷりとジャムを塗ったトーストにかじりつきながら今日のスケジュールを考える。
……何か、あったっけ。
夜にはいつも通りclubに行くことは分かるけど、その前の時間に何をする予定が入っていたか思い出せない。
「あぁ、今日は何もなかったっけ」
いつもは何かclubの裏仕事を色々やったり、情報管理とかしてみたり、仕事らしい仕事をしている。
まぁたまに外にでて自分の美しさを世間にばら撒いてみたり。
なら今日は買い物にでも行こうかなぁー、とぼんやり考える。
アクセサリーもドレスも服も何でも貰っているため、とくに買うものはないけど気分転換にはショッピングはもってこいだ。
そして治安は悪いのに、人が多いいからって単純な考えで建てられただろう大きなショッピングモールがclubの結構近くにあるからまぁ便利っちゃー便利。
「よし、決めた」
決めたとなれば、急いで朝食を済ませ服を着替える。
……肩と胸元がざっくり開いた白のシャツに赤の短いスカートでいいや。
露出が大事。
決してあたしが露出狂ってわけじゃないんだけど、あたしの肌に視線を奪われてる男たちを見るのはバカすぎて面白いから嫌いじゃない。
それを身に着け、髪をポニーテールで高く上げる。
鏡で全身を確認して、おっけい。
カバンを持って玄関へと急いだ。
そしてドアを開ければ、厳つい黒のスーツを着ているいかにも、な人が玄関に立っていた。
見た目通り、やくざの人。
西と東が交互にボディガードを用意してくれている。
ちゃんと選りすぐりの信頼できる人材を用意してくれているから、安心。
「お疲れ様ぁー!」
……うん、おっけい。
ちゃんと男の視線が胸に向いている。
内心ほくそえみながらも、笑顔を作る。
「い、いえっ。…これからお出かけですか?」
厳つい顔が真っ赤に染まっている。
さらに気分は上昇。
「ちょっと買い物?車出してくれる?」
「……冬夜さんは?」
「あー、なんか集会の後酔っちゃってさっき起きて、気分悪いから瀕死の状態らしいよ?だから大丈夫」
全くのでたらめの話だし、何が大丈夫なのか自分でも分からない。
でも男は簡単にだまされてくれる。
「あ、なら大丈夫ですねっ」
冬夜がいないと本当はあんまり外に出ちゃダメだけど、まぁ大丈夫でしょ。
いつも通り発信機もちゃんとつけてるし。
歩いてたら横に車止められて、誘拐されそうになったことなんて何度もある。
でもやっぱり誘拐する人たちも、あたしに酷いことはやっぱり出来ないわけで。
組の力であっさりと救助がはいる。