黒薔薇~美しき欲望~
唯華side*
「ねぇ、冬夜。機嫌直して?」
無表情で感情が読めない冬夜に、可愛らしい仕草を添えながらそっと笑いかけた。
……ひええええええ。
めっちゃ怖い。
「ね、ねぇ冬夜ぁ。勝手に行ってゴメンねってもうあたし反省してるから…」
もう一時間この状態が続いている。
あぁ、今日は仕事に出れそうにもない。
後でクラブに連絡入れとかなければ。
そんなことを思いながらも肘をついている冬夜の隣にもたれかかるようにして座った。
ちなみに、ソファーに腰掛けている冬夜とは違ってあたしはずっと正座だった。
もう足の感覚はないほど耐えたんだからこれで許してほしい。
足がピリピリする…。
「………とーや」
あたしが好き勝手したときに、いつも怒鳴られていることには慣れているけれど無言で無反応なんてことをされたのは初めてだ。
「どうしたら機嫌なおる?」
キュッと冬夜の手を掴んだとき。
「……お前、北を取り込むつもりか?」
低く威圧的な声が広いリビングに響いた。