俺を見ろ
「次 数学じゃないですか。洗って明日返します。」



私が気付いても 何もなかったように顔色一つ変えない



「洗わなくて良いから。」



私から服を取ろうとするから ぎゅっと服を握りしめた



「ダメです!」



「もう かがないから。その変わり。」



黒木先輩の顔が近寄ってくる
顔を横向けて 私の首元へ



「雪菜の匂い。」



きゃーー
声には出なかったけど 心の中で叫んだ



動けない私を良いことに 体操服を奪い
"じゃーな!"と言って教室に入って行った


まだ動けない私



チャイムがなり 急いで教室に戻った



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