今でもあいつを。
「春斗、おはよう。よく眠れた?」
いつものように、いつもと同じように笑い、春斗の病室に入る。
春斗は窓の外に向けていた視線を此方に向けた。
春斗と目があった瞬間。私の笑顔がぎこちなくなったのがわかった。
―――――――――――……春斗じゃない。
どこかでそう感じた。
「……誰?」
初めて会ったときから笑顔だった春斗。
私の春斗への第一印象は笑顔だった。
その春斗が笑っていない。私に冷たい視線を向けている。
それだけで、私は酷く動揺した。
落ち付け。落ち付け。
春斗は、私のことをわかっていない。
初対面だと思ってる。だから、私も、そう接しないと。
「えっと、ね、私、藤崎さゆりって言うの」
「俺は……、俺は―――――――……誰?」