擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~


「優勝にカンパーイッ!!」

教室に戻ると、生徒達にジュースを配り、缶を合わせた。

景品となった大きなケーキを紙皿に盛り付けて、簡単なパーティが始まった。


「あれ?1個余っちゃったんだけど、貰ってない人いない?」

ジュースも切り分けたケーキも確かに人数分にしたから余るはずが無いのに、と1皿を持ちながら周りを見回す。

「先生、香苗がまだ帰って来てないでーす」

「生徒会の片付けで帰って来れないのかも」

「柏木さん、人一倍優勝することを願ってたのに・・・」

結果発表の時も、自分の役割も忘れて壇上ではしゃいでいたのを思い出す。

「私、ちょっと様子を見て来て、抜けられないか訊いて来るね」

片付けなら体育館か、生徒会室だろうか。

どちらかというと近い、生徒会室に向かうために階段を小走りで上った。


教室から漏れる明かりと声が、いつもは廊下が薄暗くなると感じる寂しさを淡くさせる。


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