擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
結城君を再びベランダから返すのも、心臓に悪くて、止むを得ず部屋を通した。
「泥棒でも入ったの?」
「は・・・?」
私の部屋に入るなり、周りを見回してそう言った。
結城君が部屋に入るなんてイレギュラーだったから、自分の部屋は普段通りにひっちゃかめっちゃか。
いや、佐久間さん用の衣装を決めるのに、服を散乱させたままだから、普段よりも酷い・・・。
「目瞑って、早く出て行って!」
「目瞑ったら、何か踏みそうだね」
「うるっさい!!」
興味深気に部屋を見ている結城君の背中を押して、玄関まで何とか連れて来た。
「あ、そうだ、忘れ物」
「忘れ物?」
ドアに手をかけた結城君が振り返り、唇を軽く合わせた。
「ほんと、楽勝。・・・それとも、わざと?」
「・・・・・・っ!?!?」
愉快そうに笑いながら、結城君は部屋を出て行った。
ドアの鍵を閉めた後、額をドアに付けて深い息を吐いた。
とんでもないことになった・・・。
あろうことか、ファーストキスを生徒に奪われ、その後も何度かキスを許すなんて・・・。
「これが、キス・・・」
自分の唇に触れて、ハッとする。
ひ、浸ってる場合かっ・・・!!