擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
「香苗はどんな人か、って少し粘るから、それも無難に答えようと思ったら、先生の事が思い浮かんだ」
お湯を注いでいたから視線はカップに向いたままだったけど、意識は完全に結城君が発した言葉に向けられた。
「俺って先生の事、結構本気で気になってたんだーって気づいたんだよね。で、いつかの理科室から先生と出る所を香苗に見られた事あったの覚えてる?」
コーヒーを淹れたカップをテーブルに置き、覚えてるよ、と頷いた。
「あの後、俺が好きなのは先生でしょ、って言われて、その通りだったから認めた」
「認めたの?」
「俺が好きなだけなら問題ないでしょ?」
「・・・まぁ」
柏木さんは知っていたのか。
どんな気持ちで私の事を見ていたんだろうか。
「応援されたんだよね」
「え・・・」
「相手が先生だからだったみたいだね。香苗、先生の事好きだからね。堂々とツーショットなんて撮りにくいだろうから、って、送ってくれた写真がそれ」
スマホ画面をもう一度眺めて、自然と笑みが溢れる。
「いい子だね・・・。もったいないよ、結城君」
「それ、俺にも香苗にも失礼だから。俺も香苗もちゃんと考えて結論出してるんだからね」
「・・・そうね。ごめん」