四角いジャングル
揉み合いとなる中。

「三沢てめぇこの野郎!」

マイク片手に蝶野が吠える。

「どういうつもりだてめぇ、えぇコラァ!てめぇらオールジャパンは味方じゃねぇのかえぇコラァッ!」

マットに投げつけられたマイクをすかさず拾い上げ、いつもは寡黙な猛虎は叫んだ。

「蝶野、お前みたいな汚ぇ手ぇ使う奴と組むくらいならな、俺は一人でニュージャパンと外敵相手にする方がマシなんだよ」

その発言に、会場は大歓声に包まれる。

元よりオールジャパン、とりわけ三沢のファンは、彼が蝶野や藤原、フライといったヒールと組んでいる事が我慢ならなかったのだ。

例え同じオールジャパンの武藤をも敵に回す事になったとしても、三沢はやはり根っからの『ベビーフェイス』なのだ。

「てめぇこの野郎!」

「裏切るのか三沢!」

蝶野が、藤原が、一斉に三沢に襲い掛かる!

蝶野のケンカキックにエルボーで対抗する三沢。

藤原の頭突きにもエルボーを返すが。

「!?」

背後からフライに羽交い絞めにされ、蝶野のケンカキックを腹に叩き込まれる!

そのままマットに叩き伏せられ、藤原、蝶野、フライの三人のストンピングでリンチ状態となる三沢。

しかし。

「やめろオラァッ!」

そんな三沢を、大谷が、猪瀬が救出に入る!

大谷が藤原を、猪瀬がフライを、そして三沢が蝶野を。

それぞれスパイラルボム、ジャーマンスープレックス、エメラルドフロウジョンで投げる!

< 129 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop