涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




「鞠さんは、秋山君に報告しに来た?」

「鞠はそんな鬼畜じゃないよ。」

「怜は鬼畜だと。」

「夏希ちゃんにとって、鬼畜でしょ?」

「まあ確かに。」


好きな人の口から、あんなに簡単に告っていないのに振られるとは思いませんでした、と自嘲気味に笑うと


「無理して笑っちゃダメ。
泣きたい時は泣きな?
じゃないと、壊れちゃうよ。」


と、優しく微笑んだ。

胸を貸す、とか…

頭を撫でる、とか…

こういう場面でする人がいるけど、お互い同じ傷を負ってるからこそ、意味のないことだってわかってるからこそ、ちゃんとした距離があたしたちにはあった。




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