涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
あたしを抱きしめる腕の力が強くなった。
「あきやま、くん?」
その手があまりにも優しげで、なんとなく不安になって、その手に手を重ねた。
「…わり、」
柔らかく微笑んだのが分かってホッと胸をなでおろした。
だけど。
ゆるゆる~と、離れた腕は、切なさを含んでいるようで。
「…秋山くんどうしたの?」
くるりと体勢を変えて、秋山くんの頭をそっとなでた。
ツンツンとしている髪の毛は、触るのが少し痛かったけど、不安を含むその瞳を見てしまえば、そうせざるおえない。