涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



グルグルとまるでコーヒーをかき混ぜる様に。

あたしの心を引っ掻き回す。


「…秋山くん、本当に女たらしだよ。
その発言」


だから、ふざけていうしかないじゃない。

笑ってごまかすしかないじゃない。


ほらまた…





鞠さんを好きと言ってよ






「…好きな奴、いるから。」



なのに、帰ってくる言葉は切なげに揺れていて訳がわからない。


二人は両思いだったはずでしょ?
どうして?なんで?


そんな気持ちに支配されても、声に出さないのは、なんとなく聞きたくない言葉が言われる気がして怖かったからで。



「…そっか。」


じゃあ次ね、と下手くそな話題転換をするしかない。






< 208 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop