【彼女のヒミツ】
16
「明日から学校だね」
水谷 玲は館内の吹抜け天井を見上げながらいった。
仲間礼二と中尾真也はいつの間にか、午後四時になると、玲と里子の居る中央図書館に集まるようになっていた。礼二の目的はもちろん玲に逢うことである。八月の最終日の今日も、いつものように雑談室にて四人は他愛ない会話を交わしていた。
礼二は玲の言葉に「だね」相づちを打つと「この年の夏休みほど楽しい思い出はなかったよ」正直な気持ちを吐露した。
すると玲の隣りに坐っていた中尾が口を挟んだ
「なんか丸くなったね、れいじくん。学校では英国の貴族みたいに、俺に触れるなってオーラ出しまくりだったちゅうのにな。庶民はひざまずけって感じ」
玲は中尾の話に驚いた表情で、そうなの?と礼二に訊いた。
「え、あの、いや」礼二はどう答えていいのかわからずに顔を曇らせた。
「勉強は学年で一、二を争う賢さ。まぁ、ガリ勉ともいう。容姿は可もなく不可もなく、んで運動音痴、性格は毒舌くそ野郎───」
礼二が中尾の話にそこまでいうなよと気持ちをへこませ、胸の中で俺って勉強以外凡人なんだなと呟いていると、
「そ、そんなこと、ないよ」暗い声で森永里子が中尾の言葉をさえぎった。すると三人は一斉に里子の顔を見た。
「な、仲間くんは、毎朝私の重い鞄を図書館の近くまで持ってくれる。花火を観に行った時も、私と玲ちゃんの足を気遣ってくれたり、治療してくれた。仲間くんは、すごく優しい人だよ。それに学年で常に上位に食い込むってすごいことだと思う」
彼女はたどたどしい口調だが、皆に一生懸命伝わるように話した。
「お里。俺はれいじくんが優しくない、だなんて一言もいってないんだけどな」中尾がにやにやと笑みを浮かべていった。
「えっ……」里子は当惑した顔をして俯いてしまった。礼二は黙って里子の顔から中尾、そして玲へと視線を流した。
「お里によると、れいじくんは優しいみたいだってよ?」中尾は礼二に向けていった。礼二は黙っていた。
「最初は、背が高くてクールで、知的な眼鏡が近寄りがたい印象だったけど、友達になってみると、仲間くん良い人だよね。賢い人ってさ、外見に表れるんだなって仲間くんを見てすごく感じたよ」
「明日から学校だね」
水谷 玲は館内の吹抜け天井を見上げながらいった。
仲間礼二と中尾真也はいつの間にか、午後四時になると、玲と里子の居る中央図書館に集まるようになっていた。礼二の目的はもちろん玲に逢うことである。八月の最終日の今日も、いつものように雑談室にて四人は他愛ない会話を交わしていた。
礼二は玲の言葉に「だね」相づちを打つと「この年の夏休みほど楽しい思い出はなかったよ」正直な気持ちを吐露した。
すると玲の隣りに坐っていた中尾が口を挟んだ
「なんか丸くなったね、れいじくん。学校では英国の貴族みたいに、俺に触れるなってオーラ出しまくりだったちゅうのにな。庶民はひざまずけって感じ」
玲は中尾の話に驚いた表情で、そうなの?と礼二に訊いた。
「え、あの、いや」礼二はどう答えていいのかわからずに顔を曇らせた。
「勉強は学年で一、二を争う賢さ。まぁ、ガリ勉ともいう。容姿は可もなく不可もなく、んで運動音痴、性格は毒舌くそ野郎───」
礼二が中尾の話にそこまでいうなよと気持ちをへこませ、胸の中で俺って勉強以外凡人なんだなと呟いていると、
「そ、そんなこと、ないよ」暗い声で森永里子が中尾の言葉をさえぎった。すると三人は一斉に里子の顔を見た。
「な、仲間くんは、毎朝私の重い鞄を図書館の近くまで持ってくれる。花火を観に行った時も、私と玲ちゃんの足を気遣ってくれたり、治療してくれた。仲間くんは、すごく優しい人だよ。それに学年で常に上位に食い込むってすごいことだと思う」
彼女はたどたどしい口調だが、皆に一生懸命伝わるように話した。
「お里。俺はれいじくんが優しくない、だなんて一言もいってないんだけどな」中尾がにやにやと笑みを浮かべていった。
「えっ……」里子は当惑した顔をして俯いてしまった。礼二は黙って里子の顔から中尾、そして玲へと視線を流した。
「お里によると、れいじくんは優しいみたいだってよ?」中尾は礼二に向けていった。礼二は黙っていた。
「最初は、背が高くてクールで、知的な眼鏡が近寄りがたい印象だったけど、友達になってみると、仲間くん良い人だよね。賢い人ってさ、外見に表れるんだなって仲間くんを見てすごく感じたよ」