無口な同期とイチャラブ♡オフィス


「……おっさ……唐沢さん、すみません。助かりました。ありがとうございました」


お客様が帰ったのを見届けてから、私はオッサンに向き直って再び深々と頭を下げた。


正直、ものすごく助かった。完璧100パーセント私のミスでお客様を怒らせてしまって、下手すればリーダーの野瀬さんや主任達にまで迷惑を掛ける所だった。

それに何より。せっかくワクワクした気持ちで家具を買いに来た人が怒って帰る様なことがあったら。そんなの販売員の風上にも置けない。それだけは本当に哀しくて勘弁願いたいのだ。


自分の不甲斐なさ、大反省。あんな基本的な確認を怠ったアホな自分が情けない。と同時に。


……ありがたいけど。すっごくありがたいけど。

敵に塩を送るって言うんだっけ?こういうの。ちょっと違うか。


あんなに嫌ってたオッサンに超絶最大限に助けてもらってしまった事が、本当に情けない。

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