無口な同期とイチャラブ♡オフィス


ガッツリと謝罪する私を見てオッサンは

「気にすんな。メーカーと家具屋はもちつもたれつ、助け合わなくちゃ」

そう言いながら、項垂れるように深く下げた私の頭をポンポンと撫でた。


「でも、新しい机の値段下げちゃったし、ライトまで付けちゃったし、すごい損しちゃったんじゃ……」

「いいんだよ。どうせあれも年明けには値段下げるヤツだったんだから。それにあのライト旧タイプの在庫品だし」

「なんだと」


あっけらかんと笑ったオッサンの言葉に、私は呆気に取られ顔をパッと上げる。


「まあ、気にすんな。ほら、お嬢ちゃんはションボリした顔似合わないぞ」


上げた瞳に映ったのは、屈託無い笑顔でニーと笑うオッサンの顔。

……あれ。この人もしかして、実はいい人?

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