無口な同期とイチャラブ♡オフィス
幾らなんでもそれはお断りだ。優吾と云う大切な彼氏がいるのに、さすがにオッサンとデート紛いな事は出来ない。
そう断ろうと口を開いたところで
「実はさ、俺バツイチで小学生の娘がいるんだけど、ちょっとりんちゃんに似てるんだ。でも引き取った元嫁さんがなかなか俺に会わせてくれなくてさ。こんなこと言うのも何だけど、りんちゃんといると娘といるみたいで楽しいんだよ」
オッサンがそんな切ない理由をいきなり暴露するもんだから、私は言いかけたお断りを思わず飲み込んでしまった。
「情けない理由だけどさ、俺にメシご馳走させてよ。娘もそこのキッシュ好きだったんだ」
あーうー。どうしようどうしよう。
こんな話聞かされたらむげに断れないじゃん。でもなあ。でもでも。
「……うーん。ちょっと考えさせて下さい」
優吾に相談してから決めよう。私は良くても優吾が嫌な気分になったらダメだし。そう考えて答えを保留にしたけれど。
「いいよ、ゆっくり考えてよ。俺、3月いっぱいまでここにいるし。返事待ってるから」
そう答えたあと、オッサンは
「あ、今の話はカッコ悪いからナイショな。りんちゃんの胸だけにしまっといてよ」
なんてウインクするもんだから。私は非常に困ってしまったのだった。