無口な同期とイチャラブ♡オフィス


……これはさ。もうさ、泣いていいよね?号泣していいよね?


「……っく、ひっく……うぅ~…」


泣きながら、服の泥を払い高さの違う靴でヒョコヒョコ歩き始めた私を、通り過ぎる人が「うわー……」って顔で見ていく。

ふんだ。笑いたきゃ笑えばいーじゃん。ドン引きすればいーじゃん。もうこんなボロボロで恐いモノなんか無いよ。


ヨタヨタと優吾のアパートへ向かう途中、コンビニが目に入ったけれど。とことんドン底な事に、今の私には絆創膏を買うお金も代わりのサンダルを買うお金も無い。3円しか持ってない。

裏目もここまで来ると清清しい。


それでも、誤解を解きたい一心で、私はベソベソと泣きながら『悲惨』の一言に集約される姿で、ヒョコヒョコと優吾の元へ足を運ばせ続けた。





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