無口な同期とイチャラブ♡オフィス
「……は、走ってたら転んで…、血も出てパンプスも壊れちゃったけど、お金全部飲み代に置いてきちゃったから……何も買えなくて……ヒール折れたパンプスじゃやっぱり歩けなくって……途中から裸足で歩いて……」
ひっく、ひっく、としゃくり上げながら話す私の悲惨体験を、優吾は傷の消毒をしてくれながら黙って聞いてくれてた。
泥だらけのカットソーも、優吾が洗濯してくれた。私は借りたブカブカのトレーナーを袖をいっぱい余らせて着ている。
膝とおでこにペタリと絆創膏を貼ってから、優吾は「ふぅ」と大きく息を吐き出して、捨て犬でも見るような瞳で私を眺めた。……憐れまれてる?
「どうしてこんなになってまで追いかけて来たの」
ポツリと零すように言った声には、少し申し訳なさが含まれてる気がした。きっと、私がこんなにボロボロになってる事に、どこか責任を感じてるんだ。
……申し訳ない。優吾は悪くないのに。
「だって~、優吾と話したかったんだもん。ちゃんと話して、今度こそきちんと謝りたかったんだもん~~」
「でも――」
ベソベソと言った私に、優吾は何かを言いかけて口を噤んだ。