無口な同期とイチャラブ♡オフィス


いっつも凄く優しくて穏やかな優吾。喋る声は全部あったかい優吾。

でも。今はウソみたに冷たくて恐い。

それぐらい優吾は怒ってる。私のために、怒ってくれてる。


唐沢のオッサンも、さすがにふざけた笑いをピタリと止めて

「悪かった……調子に乗りすぎたよ」

今度こそ真面目な声でそう言った。


なんだか、心臓がバクバクしすぎて痛くなっちゃった私は、その謝罪を聞き届けてからそっとその場を離れた。



再び賑やかなフロアに戻ってから、張り詰めていた呼吸を深呼吸で元に戻す。

ふうっと大きく吐き出してから、緊張していた胸を押さえた。

……確かに。ケンカじゃなかったし殴り合いでもなかった。でも。

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