無口な同期とイチャラブ♡オフィス


大丈夫かなあと、私の胸は不安で曇ってしまう。


優吾が私のためにあんなに怒ってくれたのは嬉しい。嬉しいんだけど……あのふたり険悪になったりしない?仕事しづらくならない?

私のせいで、優吾が大好きなデスク部門の仕事がしづらくなったりしたらイヤだな。そんなの悲しい。



結局私はそれからもソワソワしちゃって落ち着かなかったんだけど。


「唐沢さん、りんかに『悪かった』ってさ」


就業後の帰り道で、優吾はいつもみたいに優しく笑いながらフツーに私にそう告げる。

どんなやりとりをしたとか、凄く怒ったとか、そういう事は口にせずに。とっても穏やかに。


そんでもって後日には、優吾とオッサンはデスク売り場でフツーに会話しながら仕事をしていて。


「新タイプの高機能デスク評判いいですね」

「ああ、キサラギの自信作だからな。俺のボーナスがこれの売り上げに懸かってるんだ。売れてもらわなきゃ困る」

「じゃあ頑張ってお客さんに勧めます」


そんな、冗談をまじえた和やかな会話まで交わしていた。

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