無口な同期とイチャラブ♡オフィス


――なんか。優吾って、私が思ってるよりずっと大人なのかも。


『怒るのは、僕の役目』って言ってくれた優吾は、本当にきちんとキレイに怒ってくれた。ちゃんとけじめをつけさせて、でも後腐れは残さなくって。



その日の就業後に、事務所で優吾とタイムカードを押してると

「風間くん、嬢ちゃん、おつかれ」

と同じく帰るところだった唐沢のオッサンが、ニッコリ笑って事務所から出て行った。


「お疲れ様です」


それに、やっぱり微笑んで挨拶を返した優吾に私は

「……優吾って大人だよね」

なんだかしみじみ感心してしまったのだった。


「なに、急に」


私の言葉に照れくさそうに驚く彼にニーと微笑みかけてから

「頼りになるなぁって。……惚れ直した」

周りに聞こえないように小声でそう告げた。


赤くなった顔でふにゃりと目を細めた優吾はやっぱり凄く可愛くて。大好きないつもの恋人の顔だった。



唐沢のオッサンには振り回されまくったけど、でも。

彼氏の色んな一面が知れた事には感謝、かな?


もっとも。もう誤解やヤキモチは懲り懲りだけど!





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