無口な同期とイチャラブ♡オフィス


そんな会話を交わしていたら、扉から軽いノックが聞こえ大きなシルエットが事務室へ入ってきた。


「あ、風間くん」


お、ラッキー。営業時間中にこんなところで優吾と会うなんて珍しいかも。

声を掛けた私を見て口元にカーブを描いた優吾の手には、メーカー宛の発注用紙。どうやらファックスを送りに来たようだ。


「ファックス送りに来たの?あ、カラキ木工のだ」

「うん、さっきの加賀さまの。特別発注だから一応ファックスからも送っておこうと思って」


普通、メーカー直送の商品はお店の会計カウンターから全て発注するんだけど、急ぎの配送だったり限定品だったりと特別な場合は、こうして念のためにメーカーへファックスを送って発注した事を知らせておくのだ。

さっきの加賀さまの買い物がまさにそう。同メーカーで数点買ったものをバラバラの配送日指定にしたので注意が必要。

なので、優吾の行動はとても気が利いていて正しいのだ。うむ。

< 78 / 293 >

この作品をシェア

pagetop