今さら恋なんて…
「……」
嫌、と言いたいところだけど…きっとまたお金払うのあたしじゃないしなぁ…。
「……ん」
あたしは仕方なく頷くと、シゲハルの目の前にチーズ乗せクラッカーを差し出した。
「サンキュ」
シゲハルはニヤリ、と笑うと、1口でそれを頬張った。
「……」
何で、こうもドキドキするんだか…。
別に吊り橋に立っているわけでもないのに…。
マスターも何だか嬉しそうに笑ってるし…。
シゲハルも何だかずっとニヤついてるし…。
「……」
ダメだ。
余計なこと考えちゃ…。
楽しく飲まなきゃ。
あたしはお手ふきで指先を拭くと、スプリッツァを喉に流し込んだ…。