今さら恋なんて…
それから…本当に慌ただしい日々が始まって…バーに行くどころか、シゲハルに会うのもままならなかった…。
最初はシゲハルも「仕方ないな。んま、俺も忙しいからちょうどいいや」って笑ってたけど…次第に連絡すらくれなくなっていった。
それも、あたしが連絡を怠る様になったから、なんだけど…。
とにかく…ちょっとのすき間があれば、眠ることを優先させていた…。
「…大丈夫ですか?司さん…顔色悪いですけど…」
休憩室でタバコをくわえたままぼーっとしていたあたしの顔を覗き込む守本。
「……ん。全然寝れてなくて…」
「今はお店も忙しいですもんね…。司さん、ご飯食べないと次のお客様みえちゃいますよ?」
「…いらない」
「ちょ、ダメですよっ。ご飯食べないと倒れますよ?」
守本はそう言うと、休憩室に置かれていたお菓子をあたしに差し出した。