今さら恋なんて…
deuxieme ~2番目の~
un ~秘密を話したそのあとで~
全てを話し終わった後、あたしは1つ、息を吐いた。
「…司さん…」
目の前は心配そうに眉根を寄せる龍哉。
「…大丈夫…ですか?」
龍哉の綺麗な瞳が揺らいで…まるで泣いているみたいだった…。
「……大丈夫…。ありがとう、龍哉…」
あたしはそう言ってそっと笑った。
「…あの…」
「ん?」
「……その後…連絡は…あったんですか…?」
龍哉は言葉を選びながら、そうあたしに訊いた。
「……」
あたしはそっと首を横に振る。
「…そう、ですか…」
「うん…。きっと…あたしがあの手紙を読んだ時には…」
「……」
「…だからね」
「は、はい」
「…あたし…人を好きになるのが怖くなったの」
「司さん…」
「きっと…また…誰かを好きになったら…その人…また連れて行かれちゃう…」
「……」