今さら恋なんて…
「ヤ、ヤバイくらいにイケメンですね、今日のメンズ!」
莉衣はあたしに襲い掛かる勢いで急接近すると、そうまくし立てた。
「…莉衣、近い」
あたしは莉衣にデコピンすると、低い声で呟く。
「あ、す、すみません。つい…」
「…ったく。いつまで黄色い声出してんのよ。あいつ、あんたと同じ年だよ?」
「マ、マジすか。落ち着いてるー。24に見えないわ」
莉衣は顎に手をやりながら、そうぶつぶつと呟いた。
「会社員…って…今日木曜日なのに、休みなんですか?彼…」
カルテを覗き見したのか、そう呟きながら休憩室に入ってきた央輔があたしに訊いた。
「うん。…彼、ホテルマンだから」
365日営業しているホテルなのだから、平日に休みなのは仕方ないだろう。