今さら恋なんて…
“debuterでは”ってことは…また龍哉、来てくれるのかな?
龍哉の言葉に頷きながら、あたしはそう思いを巡らせて、龍哉を見つめた。
龍哉はふわり、と優しい笑顔で笑うと、
「近々お店行かせてもらいますね。また“カッコよく”してください」
なんて、囁くと、少し意地悪な笑みを浮かべた。
「うん。…でもさぁ、これ以上カッコよくなってどうするの?」
思わずそう突っ込むと、
「司さんの横に居て、釣り合う男になりたいですから」
って龍哉は恥ずかしいセリフを吐きながら、あたしの顔を覗き込む。
「…十分カッコイイから…これ以上カッコよくならないでよ」
「はは。司さん美容師なのに…何だか矛盾してますよ?」
「……うるさいよ、龍哉」
「何だか、司さんいじめてるのも楽しいので、矛盾は突っ込みますよ?」
龍哉はそう言って、意地悪な笑みを浮かべる。
「龍哉…見た目に似合わず意地悪だね…」
「……司さんだけに、ですよ」
龍哉は笑いながらそう言うと、月に照らされながら、歩みを進めた…。