今さら恋なんて…
カラーチェックを済ませ、シャンプーを終えた龍哉の元に行くあたし。
「店長、お願いします」
「はぁい」
その場を離れていく明日香を見送った後、
「髪型とかも何か規定あるの?」
って、カットチェアーに座ったあたしは訊いた。
「そうですね…。あんまり長すぎなければ問題ないと思いますよ」
髪が濡れて色気が一層増した龍哉はちょっと小首を傾げながらそう言った。
「…そっか。じゃぁ、短すぎるのは嫌い、とかある?」
視界の隅っこに映る、他のお客様達とスタッフの熱視線にちょっと笑ってしまいそうになりながら、あたしは龍哉の髪にコームを入れた。
「特にありませんよ…ってか何で笑ってるんですか?」
「ううん。気にしないで」
「……」