今さら恋なんて…
「うん。あたし、月曜日しか来れないけど…平気?」
「はい。確か、まだ先の話ですよね?シフト調整してもらいます」
スタッフはご案内のこととかあるから、日程とか詳しく知ってるもんね。
「じゃぁ、時間は龍哉に合わせるよ」
「ありがとうございます」
「ううん。あたし、個展なんて初めてだから…1人じゃ不安だったから」
「初めて…なのに、行く気になったんですか?」
「ん…。ウチの守本が好きな画家さんなんだ」
「へぇ…。けっこう有名な画家さんですもんね」
「うん。楽しみだね」
「はい。…じゃぁ、そろそろ行きましょうか」
龍哉はそう言うとソファーから立ち上がり、あたしに手を差し出した。
「あ。…ありがと」
あたしは龍哉の手を借りると立ち上がる。
「いえ。どうぞ」
龍哉はあたしに進路を譲ると、そっと背中に手を添えた。