今さら恋なんて…



「……やっぱりいいです」

龍哉は何やら考える様な仕草をしたが、結局はそう呟いた。


「……」


「行きましょうか。ウミガメでお腹いっぱいになりました?」

龍哉はあたしを促すと、歩き出す。


「うん。もうしばらくはウミガメいいかな」


「ぷっ。…じゃぁ、次は何でお腹いっぱいにします?」


「うーん。ショーみたいなのはないの?」


「あ。11時からありますよ」


「じゃぁ、それ見に行こう」


「はい」

頷いた龍哉の腰に、あたしはそっと手を回した。


さすがに腰は掴めなくて…セーターを掴んだのだけれど…。


瞬間、龍哉はびっくりしたようにあたしを見る。


「……ダメ?」

思わずそう訊くと、


「ダメなんかじゃないですよ。…せっかくなら、こうしましょうか?」

って、龍哉は囁いて、あたしの手をそっと握り、指を絡めた。



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