今さら恋なんて…



「そういう“責任感”って言う重圧を下ろす日も必要だと思ったので…“ちゃんと休んだ方がいいですよ”って言ったんですよ?」


「……」


「…って、せっかく休んでる司さんを誘ってしまったのは俺ですけどね」


「う、ううん。いいよ。誘ってくれて嬉しかったし…」


「そうですか?そう言ってくれると俺も嬉しいです」

龍哉はそう言って微笑んでくれる。


あたしも思わず微笑むと、龍哉は目を細めて応えてくれた。


「…今日はこのあと予定あるんですか?」


「……ないよ。…あ、そー言えば」

あたしはふと思い出して、バッグを漁り、取り出したものを龍哉に渡した。


「遅くなっちゃってごめんね。チケット、もらったよ」


「あ。ありがとうございます」


「あたしが個展に行くのが珍しいみたいで…兄さんおごってくれた」


「え?そうなんですか?…何だか申し訳ないですね…」


「いいのいいの。気にしないで」


「…ありがとうございます」

龍哉はそう言って微笑むと、財布にチケットをしまった。



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