今さら恋なんて…
「……ひどいなぁ…」
そう呟きながら灰皿を差し出したのは央輔だった。
「ビ、ビビらせんなよ。心臓止まったらどーすんだよ」
「……すみません。店が火事になっても困るので…」
央輔はあたしの手元からタバコを抜き取ると、灰皿でもみ消した。
「……ごめん」
「いえ。…昨日はいいことあったんですか?」
休憩室に誰も居ないことを確認した央輔はそう訊いた。
「……な、何でそんなこと…」
「店長、分かりやすいですよ」
「え…」
「俺以外は気付いてないとは思いますけど…」
「い、いつ気付いたの?」
「今朝、出勤してきた時から…」
「……」
央輔、怖い…。