今さら恋なんて…
ホテルマンって…一を聞いて十を知る、って感じなんだな、やっぱり…。
勘が鋭い、って言うか…色々行き届いてるって言うか…。
…それにしても…。
「…何か…申し訳なくなってきた…」
ぼそっ、と呟いたあたし。
「え?…今の事態は…前園様の責任ではありませんよ?」
「…でも…あたしが龍哉の髪切ったんだし…」
「…まぁ、元々遊川目当てのお客様は多かったので…」
鷹岡くんは、小さな声で本音を呟いた。
「鷹岡くんもモテるでしょ?可愛い顔してるし…」
あたしは鷹岡くんを見上げながら思わずそう言った。
「…そうですか…?…あ、あの…」
「え?」
「…私の髪も切ってくださいますか?」
鷹岡くんは、少し恥ずかしそうにそう訊いた。