今さら恋なんて…
「……」
つい、って何だよ。って思いながらも、綺麗な笑顔に怒る気が失せる…。
「カッコイイ司さんですから、“ホテルマン”の方が適切じゃないかと…」
「…ひどいなー。…どう思うー?羽生くん」
あたしはため息を吐きながら、目の前の羽生くんに話を振った。
「確かに、遊川の言い方はひどい、ですかね。…しかし、お客様はホテリエに向いているのでは、と私も感じましたよ」
「……ありがと…」
あたしは褒められて、思わずお礼を言った。
“ホテリエ”は男女問わず、ホテルの従業員を差す言葉だ。
「いえ。次のカクテルをご用意致しましょうか?」
羽生くんは静かに微笑むと、そう訊いてくれる。
「あ、ありがと。えっと…ワイン系にしようかな」
普段飲むのはワインが多いあたし。
こういうバーに来たら、どんなものが飲めるのか知りたかった。