クールな彼と放課後の恋
そっか。

これから仕事で、聡美さんとパリに行くんだよね…




「陽葵。あとは頼むわよ、みんなのことよろしくね」

「うん、わかってるよ」


言われなくても、ちゃんとわかってますよ…





「陽葵ちゃん…息子たちのこと…よろしくお願いします。あの子…特に悠は、口数少ないし…なに考えるのかわからない子だけど…どうか、よろしくお願いしますね」


聡美さんは、目に少し涙を浮かべていた。




「…はい。稲瀬は…いい人です。私は、稲瀬に…何度も助けられました…感謝しています」


高校生活が楽しくなってきたのは…

稲瀬がいたからだ。




「そっか。あ、そうだ!あと、ママたちは、あんたたちの交際は賛成するわよ」

「は!?」


早朝の静まり返った時間に、私は思わず大声を出してしまった…





「こ、交際って何言ってんのっ!!?」

「バカね。ママたちの目はごまかされなきわよ。悠くんのこと、好きなんでしょ?」

「…っ!!!!!!」


お母さんは自信満々の顔をして、聡美さんはニコニコと笑った。





「もしかして…だから稲瀬たちに、ここに住めって言ったんじゃ…」

「あったり~♪」

「お、お母さんっ!!!どうしてこんなことっ」

「面白いから♪」


この悪魔~~~~!





「大丈夫大丈夫♪あとは時間の問題よ、ねえ聡美ちゃん!」

「ええ♪私も陽葵ちゃんなら大賛成よ~」


抱き合いながら、キャッキャとはしゃぐお母さんと聡美さん。




この人たち…朝からハイテンションだなぁ(汗)

昨日遅くまで飲んでたくせに、元気だよね…




「ま、あとは適当にやってよ。なにかあったら連絡して~あ、一応言っとくけど、ヤるときはちゃんと避妊しなさいよ~」

「なっ…!///」


なに言ってんだ、本当にーーーーー!





「ヤるわけないでしょっっっ///」

「はいはい。じゃーねー」


お母さんと聡美さんは、ケラケラ笑いながら家を出ていった。



朝から変なことを言われたせいで、すっかり目が覚めてしまった私…

頬は熱く、胸はドキドキしている…





「…行ったか」



ビクッ
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