幼なじみ。






先生の口が開いた瞬間、耳を手で当てて塞ぎたかったけどなぜかてが動かなかった。





きっと、心の何処かで嬉しい情報なんじゃないか、と思っていると思う。





だから、動かせないんだと思う。





「安西さんの行動範囲を広げようと思う」






あたしが想像していなかった言葉が先生の口から飛び出てきた。




「・・・ぇ・・・・えぇぇー!?」





聞き間違い?いやいや・・・・
心の中の顔を横にブンブン振った。




「それと・・・・」





えっ・・・!?まだ何かあるの?




「歩いて行動してもいいことにする・・・が、あまり歩きすごないように!歩きすぎると呼吸困難になりかねないからな!」






「えっ!ほんとに?」






「あぁ、ほんとだよ」





あたしは夢かと思い、ての皮膚を引っ張ってつねって見た。





・・・・い、痛い・・・・





つてことは・・・・夢じゃないんだね?





「あの・・・行動範囲って・・・?」





愛雅が先生に聞いた。





それがあたしにとって一番気になったところ・・・・




あたしが行って見たいところは・・・・





この病院は25階建て。




大学病院にしては少し小さめだけど、結構いい先生たちが集まってると聞いたことがある。





この先生みたいなね?





「行動範囲は、他の階の病室には行くことできないけど、屋上まで、エレベーター使って行ける。でも、まだまだ感染症の疑いがあるから、マスク着用を約束してね?」





そう。あたしが行って見たかったところは屋上。





あたしのお母さんが一回上がったんだって。




『麻帆、屋上から見下ろした景色、すごく綺麗だったよ?麻帆も良くなって屋上の景色を見ることが出来ればいいね?』





っと・・・・





だから、一回だけでも行くのが夢だった。




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