白銀のトライアングル
次の日から、例の進入してきた男がお見舞いにやって来た。

男の名前は、康介。

「本当に、どうもすみませんでした。」

といいながら、頭を下げ毎日花束を持ってきた。

そんな事を知らない嘉雄は・・・

ここのところ大学をさぼり気味だったので、

このままでは進級があぶないと思い・・・

紗耶が入院している間は、大学へ通っていた。

と言っても、本当は学校の近くにアパートでも借りたほうが良いくらいの遠さだった。

だから、大学へ行き始めるとなかなか紗耶の病院まで行けなかった。

そんな事を知らない紗耶は、

「最近、彼が来てくれないの・・・」

と康介に相談していた。

康介も紗耶も、こんな状況だったせいか・・・

毎日、会話で盛り上がっていた。

そう、いつのまにか二人は心を許し合っていたのだった。

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